

松本農法は食べる人や自然環境だけでなく、日本の農業を担う生産者の方々にとっても安心して取り組むことの出来る農法です。
いくら素晴らしい農法や肥料であっても、肝心の生産者の方々に無理な負担を負わせるのでは仕方がありません。広く普及してこそ、その理念を社会に反映していくことができるのです。
そのためには、生産者の方々に採り入れてもらいやすい方法でなくてはなりません。その点で、松本農法は敷居の低い農法と言えます。そもそも、堆肥づくりも土づくりも相当の時間を要する作業ですから、「明日から全部この方法でやってくれ」というのは土台無理な話です。
土地が変われば気候も土も変わりますし、作物が変われば使う肥料の種類や量も変わってきます。そうした中で一つのやり方を強制するのは意味のないことと考えます。
微生物の力を利用する松本農法では、その土地その土地の土壌に棲む「土着菌」にも働いてもらわなくてはなりません。導入しようとする圃場の状態をまず見極め、そこの土に適した堆肥や肥料の使い方をしていただくことが重要となります。
ですから、ご自身の圃場に導入される際は、まず畑の一部分から松本農法に切り替えていただくことをお勧めしております。そして結果を見てから拡大していくかどうかを決めていただきます。導入後も様々な疑問に対してお答えし適切なアドバイスを行うことで、初めてのやり方による生産者の方々の不安を取り除くべくケアをしてまいります。
こうした松本農法導入のためのサポートは松本塾を通して行ってまいります。そして塾生の方が生産する作物の販売については株式会社アグリノーバと提携を結び、生産から出荷までの一貫体制を実現することができました。幸いにもよい結果が出て本格的に松本農法での栽培に切り替えていただいた際には、作付けから最後の出荷段階まで「安心」して栽培に集中していただくことできるのです。
まず播種の段階では、アグリノーバが事前に決定した販売計画に基づいて作付をしていただきます。そして収穫の際には、あらかじめ設定した基準(硝酸態窒素と農薬の残留量・糖度など)を満たしている作物についてアグリノーバが買い上げます。
そうすることで、作付から収穫までのおおよそのコストを播種以前から提示することが可能となりました。あとは、基準値を満たす元気な作物を育てていただきさえすれば、当初の計画通りの価格で無駄もなく出荷することができるというわけです。
このように、従来は出荷時の市況など不確定要素に振り回されることの多かった生産者の方々にとっても大きなメリットを生む松本農法は、広く生産者の方々に受け入れていただけるものと確信しております。
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ここまで、松本農法についてその成り立ちから詳しくご説明してまいりましたが、いくら優れた農法だったとしても一地方だけでの取り組みに留まっていては意味をなしません。
ご存じのように、日本列島は南北に長く連なった風土ですから、季節ごとに採れる作物は限られてしまいます。せっかく生産者の方が丹精込めて「安全でおいしい野菜」を育ててもらったとしても、それが1年のうちごく限られた時期にのみ、しかもごく限られた地域でしか流通しないようでは、松本農法、そして松本塾の理念はか細い声でしか世の中に伝わらないのです。
誰にでも安心して食べてもらうことのできる「安全でおいしい野菜」を多くの人にいつでも手にしてもらうためには、日本全国北から南まで一箇所でも多くの土地を松本農法の田畑でつないでゆかなくてはなりません。そうしてはじめて、数多くの作物の「旬」を1年を通してつなぐことができるのです。
その結果、生産者と消費者の想いがつながり、人間をはじめとする全ての「いのち」をつなぐことができる。私たちはそう信じています。
松本農法、そして松本塾の輪が日本中につながる日を目指して、私たちはたゆみなく歩み続けてまいります。
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